消防法 現行法規の遡及適用となる消防用設備等

〇消防法:17条の2の5
〇消防法施行令:34条
〇消防法施行規則:
〇過去問
・管理業務主任者 
・マンション管理士 H19問24、H25問23、H26問23、H28問23
 
 
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現行法規の不遡及の原則、例外
1)不遡及の原則(1項)
 
・消防用設備の技術上の基準は、時代とともに追加・変更され法律が改正されていくが、その改正の度、新しい技術基準を適用するとなると関係者に経済的負担を強いることになるため、従前の基準をそのまま適用させていくこととなっている。
 
・消防設備に関する規定は、改正法令施行時に既にある建物、または既に新築・増改築・修繕・移転などの工事中の建物については、簡易な設備(消火器、非常警報器具、漏電火災警報器など)を除き、改正後の規定を適用しない。
→従前の規定が適用される。
 
・上記はあくまで既設の防火対象物であり、新築or大規模な改装工事の際は、新基準を適用させる。
 
2)例外規定(2項)
 
●概要
①改正前の規定に違反し、改正後の規定にも違反している設備は第1項を適用しない(新規定に適合させなければならない)。
 
②工事の着手が、改正法令施行後の場合は、新規定に適合させなければならない。(確認申請や消防用設備着工届提出時点が基準日ではない。)
 
③改正法令施行時には適用対象ではなかったが、その後に設備を改修して、新規定に適合することとなった場合
 
④特定防火対象物(ホテルや店舗、医療機関など、不特定多数の人が出入りしたり、避難困難な人がいる建物)は、新規定に適合させなければならない。
 
●条文
・前項の規定は、消防用設備等で次の各号のいずれかに該当するものについては、適用しない。
①17条1項の消防用設備等の技術上の基準に関する政令等を改正する法令による改正後の当該政令等の規定の適用の際、当該規定に相当する従前の規定に適合していないことにより同条1項の規定に違反している防火対象物における消防用設備等
 
②工事の着手が17条1項の消防用設備等の技術上の基準に関する政令等の規定の施行or適用の後である政令で定める(令34条の2、34条の3)増築、改築又は大規模の修繕若しくは模様替えに係る防火対象物における消防用設備等
 
③17条1項の消防用設備等の技術上の基準に関する政令等の規定に適合するに至つた防火対象物における消防用設備等
 
④前3号に掲げるもののほか、17条1項の消防用設備等の技術上の基準に関する政令等の規定の施行or適用の際、現に存する百貨店、旅館、病院、地下街、複合用途防火対象物(政令で定めるものに限る)その他同条第1項の防火対象物で多数の者が出入するものとして政令で定めるもの(「特定防火対象物」)における消防用設備等又は現に新築、増築、改築、移転、修繕若しくは模様替えの工事中の特定防火対象物に係る消防用設備等
 
〇増築及び改築の範囲(令34条の2)
一)工事の着手が基準時以後である増築or改築に係る防火対象物の部分の床面積の合計が1,000m2以上となることとなるもの
二)前号に掲げるもののほか、工事の着手が基準時以後である増築or改築に係る防火対象物の部分の床面積の合計が、基準時における防火対象物の延べ面積の1/2以上となることとなるもの
 
〇大規模の修繕及び模様替えの範囲(令34条の3)
・防火対象物の主要構造部である壁について行う過半の修繕or模様替えとする。
遡及適用となる消防用設備等
・以下の設備は、常に新基準が適用され、該当する防火対象物に遡及される。
①簡易消火用具
②自動火災報知設備(共同住宅は対象外)
③ガス漏れ火災警報設備(共同住宅は対象外)
④漏電火災警報器
⑤非常警報器具及び非常警報設備
⑥誘導灯及び誘導標識
⑦必要とされる防火安全性能を有する消防の用に供する設備等であって、消火器、避難器具及び前各号に掲げる消防用設備等に類するものとして消防庁長官が定めるもの

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