消防法 高層建築物等の防火管理、統括防火管理制度

〇消防法:8条の2
〇消防法施行令:3条の3,4,4条の2
〇消防法施行規則:3条の3,4
〇過去問
・管理業務主任者 R2問20
・マンション管理士 H14問24、H20問24、H24問23、H27問23、R2問23
 
 
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統括防火管理制度の概要
・複合用途の建物などで死傷者等を伴う火災が相次いでいることから、管理について権原が分かれている建物の防火管理体制を強化するため、制度が整備・強化された。
 
・火災時の混乱と惨事を防止するため、複数の管理権原者の協議によって建物全体についての防火管理上必要な業務を統括する統括防火管理者を選任し、建物全体の一体的な防火管理を行うために全体についての消防計画を定め、それに基づく全体の訓練・防火管理上必要な業務を行うもの。
 
・統括防火管理者は、防火管理上必要があると認めるときは、各防火管理者に対して必要に応じて指示をすることができる。
高層建築物等にかかわる消防計画の作成等(8条の2)
1)統括防火管理者が必要となる防火対象物
 
管理について権原が分かれていて、政令で定められた以下の防火対象物
・高層建築物(高さ31m超の建築物)
・非特定用途の複合用途の防火対象物のうち、地階を除く階数が5以上で、かつ、収容人員が50人以上のもの。(令3条の3)
・他
 
2)管理権原者の義務(1項)
 
●防火管理者の選任
・複数の管理権原者は、協議して、資格者(令3条)のうちから統括防火管理者を選任。
 
●(複数の管理権原者→統括防火管理者に)命じる業務内容
・全体についての消防計画の作成
・消防計画に基づく消火、通報及び避難の訓練の実施
・廊下、階段、避難口その他の避難上必要な施設の管理
 
●所轄消防長への届出
・統括防火管理者を定めたときは、遅滞なく、所轄消防長or消防署長に届け出なければならない。解任したときも同様
 
3)消防長からの命令等
 
●統括防火管理者の選任命令(5項)
・統括防火管理者が定められていない場合には、権原者に対し、定めるべきこと命ずることができる。
 
●必要な措置命令(6項)
・統括防火管理者の行うべき必要な業務が法令の規定or消防計画に従って行われていない場合には、権原者に対し、必要な措置を講ずべきこと命ずることができる。
 
4)その他
 
●統括防火管理者→各防火管理者への指示(2項)
・統括防火管理者は、必要があると認めるときは、防火対象物の部分ごとの防火管理者に対し、必要な措置を講ずることを指示することができる。
 
●全体の消防計画、各部分の消防計画(3項)
・権原の分かれた各部分の防火管理者が作成する消防計画は、統括防火管理者が作成する全体消防計画に適合するものでなければならない。
統括防火管理者
1)統括防火管理者になれる人・資格(令4条)
 
・以下の区分に応じ、基準を満たした者(甲・乙種防火管理者)で、かつ、
全体についての必要な業務を適切に遂行するために必要な権限及び知識を有するものとして総務省令で定める要件(規則3条の3)を満たすもの
とする。
 
①甲種防火管理者(令3条1項1号)資格が必要な防火対象物
・高層建築物(高さ31mを超える建築物)
・非特定用途の複合用途の防火対象物のうち、地階を除く階数が5以上で、かつ、収容人員が50人以上のもの。
・他
 
②乙種防火管理者(令3条1項2号)資格でも可能な防火対象物
・高層建築物 and 共同住宅 and 延べ面積が500m2未満
・上記甲種の複合用途防火対象物で延べ面積が500m2未満
 
●統括防火管理者の資格者の要件(規則3条の3)
・管理権原者から、必要な業務を適切に遂行するための権限が付与されていること。
・管理権原者から、必要な業務の内容について説明を受けており、かつ、十分な知識を有していること。
・管理権原者から、防火対象物の位置、構造及び設備の状況その他管理上必要な事項について説明を受けており、かつ、十分な知識を有していること。
 
2)統括防火管理者の責務(令4条の2)
 
①消防計画の作成、届出
・総務省令で定めるところにより(規則4条)、全体消防計画を作成し、所轄消防長or消防署長に届け出なければならない。
 
②必要な業務の遂行
前項の消防計画に基づいて、以下を行わなければならない。
・消火、通報及び避難の訓練の実施
・廊下、階段、避難口その他の避難上必要な施設の管理等
 
③権原者との協調
・必要に応じて管理権原者の指示を求め、誠実にその職務を遂行しなければならない。
防火管理に係る消防計画(規則4条)
一)管理権原者の当該権原の範囲に関すること。
二)必要な業務の一部が当該防火対象物の関係者及び関係者に雇用されている者(当該防火対象物の部分の関係者及び関係者に雇用されている者を含む)以外の者に委託されている場合は、必要な業務の受託者の氏名・住所・必要な業務の範囲及び方法に関すること。
三)全体消防計画に基づく消火、通報及び避難の訓練その他必要な訓練の定期的な実施に関すること。
四)廊下、階段、避難口、安全区画、防煙区画その他の避難施設の維持管理及びその案内に関すること。
五)火災、地震その他の災害が発生した場合における消火活動、通報連絡及び避難誘導に関すること。
六)火災の際の消防隊に対する当該防火対象物の構造その他必要な情報の提供及び消防隊の誘導に関すること。
七)前各号に掲げるもののほか、防火対象物の全体についての防火管理に関し必要な事項

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