用途地域以外の地域地区

〇都市計画法:8~9条
〇過去問
・管理業務主任者 
・マンション管理士 H13問27、H14問19、H16問22、H17問24、H19問22、H20問22、H21問21、H23問21、H24問21、H25問21、H26問21、H27問21、H29問20
 
 
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用途を補完・制限する地域地区
1)特別用途地区
 
・用途地域内の一定の地区における当該地区の特性にふさわしい土地利用の増進、環境の保護等の特別の目的の実現を図るため当該用途地域の指定を補完して定める地区。
・用途地域による建築物の用途の規制だけでは不十分なところを補完するために定める地区。
→用途地域内に重ねて指定。用途地域内であれば、その種類を制限していない。
例)商業地域の中で、教育環境を守るために、”文教地区”を設け、児童・生徒に悪影響を与えるような店舗の建築を制限するなど。
 
●用途制限
・用途地域における用途の制限(建築基準法上の用途制限)を、指定の目的に応じて、制限を強化したり、緩和したりする。
・地方公共団体は、条例で、用途制限を強化または緩和(国土交通大臣の承認が必要)できる。
 
2)特定用途制限地域
 
・用途地域が定められていない土地の区域(市街化調整区域を除く。)内において、その良好な環境の形成又は保持のため当該地域の特性に応じて合理的な土地利用が行われるよう、制限すべき特定の建築物等の用途の概要を定める地域。
・用途地域が定められていない地域は、土地の利用の規制が緩く様々な建物が建ってしまう。
→良好な居住環境を確保するため、建築してはならない建築物を定め、土地利用をコントロールしている。
・”用途地域が定められていない土地の区域(市街化調整区域を除く)内”。
→非線引区域の”用途地域の定められていない土地の区域”と、準都市計画区域内の”用途地域の定められていない土地の区域”の部分についてのみ、この特定用途制限地域を定めることができる。
・具体的に、特定用途制限地域で制限される建築物としては、危険物の製造工場、貯蔵・処理の用に供する建築物、風俗営業施設、一定規模以上の集客施設等が考えられる。
土地の利用増進、高度利用の地域地区
1)高層住居誘導地区
 
・住居と住居以外の用途とを適正に配分し、利便性の高い高層住宅の建設を誘導するため、都市計画により、
 
容積率の最高限度、(必須)
建ぺい率の最高限度、(市街地の環境を確保するため必要な場合)
敷地面積の最低限度(市街地の環境を確保するため必要な場合)
 
を定める地区。
 
〇指定できる地域
・以下の5つの用途地域内で、かつ400%、500%の容積率が指定されている地域。
・第1種住居地域、第2種住居地域、準住居地域、近隣商業地域、準工業地域
(上記の住居系の3つの用途地域は、住居系の用途地域の中でも、用途規制がゆるく住居も商業施設も建つような用途地域。近隣商業地域と準工業地域は、商業系や工業系の用途地域だが、その性質上住宅の立地も予定している用途地域。)
〇内容
・地区内においては、一定の要件を満たす住居系の建築物は、通常の1.5倍まで容積率の緩和を受けられる。
→高層住居誘導地区を中心市街地に指定して、通常より1.5倍面積の大きいマンションを建て、郊外に拡散した人口を都市の中心部に呼び戻す、といった目的で指定される。
 
2)高度地区
 
・用途地域内において市街地の環境を維持し、又は土地利用の増進を図るため、
 
建築物の高さの最高限度又は最低限度
 
を定める地区。
 
〇準都市計画区域
・高さの最高限度のみ、定められる。
→準都市計画区域は、市街地の高度利用を図るような地域ではないため。
 
3)高度利用地区(容積率の最低、建築面積の最低、壁面位置)
・用途地域内の市街地における土地の合理的かつ健全な高度利用(有効利用)と都市機能の更新とを図るため、
 
建築物の容積率の最高限度及び最低限度、
建築物の建蔽率の最高限度、
建築物の建築面積の最低限度並びに
壁面の位置の制限
 
を定める地区
・市街地再開発事業など再開発を行う場合に指定される。
 
※”容積率の最高限度”及び”最低限度”
・大きすぎず、小さすぎない建物を建てて、土地の有効利用を図る
※建蔽率の最高限度
・敷地に対してある程度の余裕をもたせた建築物を建築させる
※建築面積の最低限度
・小さい建物は抑制
※壁面の位置の制限
・外壁を揃えることによって、見た目が良く、土地も有効利用できる
 
4)特定街区
 
・市街地の整備改善を図るため街区の整備又は造成が行われる地区について、その街区内における
 
建築物の容積率並びに
建築物の高さの最高限度及び
壁面の位置の制限
 
を定める街区とする。
・超高層ビルなど、より大きくより高い建築物を建築することが目的。
→容積率や建築物の高さの”最高限度”を”緩和して”超高層ビルが建つようにしている。
・特定街区内においては、容積率・建ぺい率・斜線制限等建築物の大きさ・高さに関する建築基準法上の一般的な規定は適用しない。その代わりに、都市計画で容積率、高さ等を定める。
 
〇利害関係人の同意
・特定街区に関する都市計画の案については、街区内の土地所有者などの利害関係人の同意を得なければならない。
 
5)特例容積率適用地区
 
・建築物の容積率の限度からみて未利用となつている建築物の容積の活用を促進して土地の高度利用を図るため定める地区。
 
〇指定できる地域
・以下の用途地域内で適正な配置及び規模の公共施設を備えた土地の区域。
・第1種中高層住居専用地域、第2種中高層住居専用地域、第1種住居地域、第2種住居地域、準住居地域、近隣商業地域、商業地域、準工業地域、工業地域
〇定める内容
・建築物の高さの最高限度(当該地区における市街地の環境を確保するために必要な場合に限る。)
防火地域、準防火地域
・市街地における火災の危険を防除するため定める地域。
・都市の不燃化が目的。
・火災の延焼等を防ぐため、地域内の建築物は高度の防火性能が求められる。
→具体的な規制内容は、建築基準法で定められている。
風致地区・景観地区
・景観地区は人工美、風致地区は自然美を守る、というふうに言われる。
 
1)風致地区(9条)
 
・”都市の風致”を維持する地区
・市街化調整区域でも指定できる。
●制限の内容
・”条例”で、建築物の建築、宅地の造成、木竹の伐採等を制限(58条1項)。
〇指定
・地方公共団体(都道府県または市町村)の条例
 
2)景観地区(景観法)
 
・”市街地”の景観を守る地域。
●制限の内容
・”都市計画”により、建築物の形態意匠、高さ等を制限。
〇指定
・市町村
緑地関連の地域地区
1)緑地保全地域、特別緑地保全地区、緑化地域(都市緑地法)
 
〇都市緑地法の”緑地”とは
・樹林地、草地、水辺地、岩石地若しくはその状況がこれらに類する土地(農地であるものを含む)が、単独で若しくは一体となつて、又はこれらに隣接している土地が、これらと一体となつて、良好な自然的環境を形成しているものをいう。
 
●特別緑地保全地区
・指定:都道府県または市町村
・制限の内容:建築物の新築、宅地の造成等
・許可権者:都道府県知事等の許可が必要。
 
2)生産緑地地区(生産緑地法)
 
〇生産緑地とは
・市街化区域内の農地のこと
 
●生産緑地地区
・指定:市町村
・制限の内容:建築物の新築、宅地の造成等
・許可権者:市町村長の許可が必要。

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