管理組合で全戸一括契約して、入居者ネット無料に

賃貸入居者が選ぶ人気設備ランキングでここ数年上位にランキングされているインターネット無料、一棟オーナー向けという印象を持っていましたが、管理組合が全戸一括契約することによっても賃貸入居者に対しネット無料にすることができます。
 
管理組合により全戸一括契約の見積事例、全戸一括型インターネットサービスを提供しているサービス業者の情報、全戸一括インターネットを導入する際の注意点等についてまとめています。(2023年8月時点)
 
※目次をクリックすると目次の下部にコンテンツが表示されます。
全戸一括型契約の概要
(1)全戸一括型契約とは
 
●通常の契約タイプ(入居者が直接申込み、任意加入)
 
・入居後、利用者自身で選定し、申込み
・利用契約内容によって価格が異なる
・各部屋ごとに開通工事が必要で、入居者自身が立ち会う。
 
●全戸一括契約型(管理組合で全戸一括契約)
・入居後、すぐに利用が可能
・全戸加入により、個別契約と比べて低価格で提供可能。
 
(2)全戸一括型タイプの市場動向
 
・分譲マンションでは新築マンション向けで全戸一括型タイプが増加している。
 
・動画などの大容量コンテンツやクラウドサービスの利用によって通信量が増加していることから回線品質の維持が課題となっている。
 
・在宅勤務等によって、通信品質の重要性が以前にも増して高まっている。
→通信品質を担保するため、IPoE※サービスの導入や複数の回線事業者からの調達など負荷分散に努めている。
※IPoE(”Internet Protocol over Ethernet”:イーサネットを使用してIPパケットを伝送する通信方式。一般的に従来型のPPPoE方式より高速なインターネット通信ができる)
 
・安定かつ高速大容量の通信に対応するため、優先ルートでインターネットに接続できる新たなサービスの提供も始めている。
 
・これまではコスト面を重視する物件オーナーや管理会社が多かったが、多少料金が高くても品質面を重視する傾向が増えており、マンション全戸一括型インターネットに対する考え方が二極化しつつある。
 
・全戸一括型インターネットでは通信品質の重要性が継続的に高まっており、各住戸まで光回線を引くマンション棟内光配線方式や10Gbpsなど1Gbpsを超える通信速度のインターネット回線への需要が年々高まっている。
インターネット接続の構成、種類
(1)インターネット接続の構成概要
 
①各住戸
・LAN差込口、埋込アクセスポイントなど
②マンション共用部内配線
・光ファイバー、LANケーブル、電話回線、同軸ケーブル等
③共用部設備
・終端装置、ルータ、スイッチ等
④アクセス回線
・フレッツ、NTTダーク、自社ファイバーなど
⑤バックボーン
・フレッツ網、自営網など
⑥インターネット接続
・ISP自社構築、他社設備、VNEなど
 
(2)マンション棟内の配線方式
 
1)光配線方式、FTTH方式:将来を見据えた拡張性が高い回線サービス
 
・棟内配線に汎用性の高い光ファイバーを利用し、高品質なインターネットサービスを提供。
・端末機器・関連機器の進展に合わせて拡張性が期待でき、さらなる高速化が可能な最新のインフラ。
・映像配信など将来的な拡張性にも対応できる。
 
2)LAN配線方式、イーサネット方式:光インターネットサービスの標準サービス
 
・マンションの各部屋までLANケーブルを配線し、光インターネットを利用できるサービス。
・収容局からマンションまで専有の光回線を引き込むため、高品質・高速のインターネットを利用できる。
・棟内に配線するLANケーブルは、Cate5.eは2.5Gbps、Cat6Aは10Gbpsまで対応可能。
・将来の高速化にも十分対応可能なインターネットインフラ方式。
 
3)既存の電話線を利用する方式
 
●G.Fast(つなぐネットコミュニケーションズ)
・既存の電話用屋内配線を利用した次世代型高速通信規「G.fast」は、最大1Gbps(上下合わせて)の通信速度を実現。
・工事に伴う宅内立入が不要、比較的安価にサービスを提供可。
 
●SPE(Single-Pair Ethernet)(ギガプライズ)
・ルータ・センター装置間は1Gbps、センター装置・宅内装置間は100Mbpsの通信が理論上可能。
・工事に伴う宅内立入が不要、比較的安価にサービスを提供可。
 
●G.hn(アイネット メタル fast)
・居住内での回線速度が最大で1.7Gbpsと高速で安定したインターネットを安価に提供。
 
4)同軸ケーブルを利用する方式(ケーブルテレビ事業者)
 
・既設のテレビ共聴設備(同軸ケーブル)を伝送経路として、インターネットの双方向通信を実現できるG.hn方式を採用した同軸線モデムを設置。
 
(3)優先制御
 
1)つなぐネットコミュニケーションズ:Connectix
 
・利用者ごとに接続するための優先ルートを用意することでスムーズな接続環境の提供を可能にしており、在宅勤務やオンライン授業、動画視聴、オンラインゲームなど高速・大容量の通信ニーズに対応。
・SD-WAN技術を活用して、マンション内の住戸毎に通信品質をコントロールできる。
 
2)ギガプライズ:専用線型、優先ゲート方式
 
●専用線型:GIGA Direct Connect
・他の利用者とは共用しない専用回線を経由することで、安全性を確保。
 
●優先ゲート方式:GIGA Priority Gate
・一般利用者とは共用しない優先ゲートを経由することで、安定性を確保。
・NTT東西フレッツ網(NGN)にて、GLBBジャパンが保有する仮想通信路を確立する技術を活用した、仮想通信路による優先ゲート方式の高品質インターネット接続サービス。
 
3)アイネット:専用線型、優先ゲート方式
 
●アイネット Rich Path
・通信局舎から建物まで独立した専用線を用意する専用線接続型。
・SD-WAN技術の仮想通信経路により、今後のトラフィック増加やIoTの多様化に備えた強固なインフラを形成。
 
●アイネットVirtual Path
・NTT東西フレッツ網(NGN)内に GLBB Japanのバックボーンを用いたSD-WAN技術の仮想通信経路を確立し、それを「アイネット」のインフラに組み合わせることで、一般利用者と共用しない通信経路を確保し、従来の接続よりも回線が高速・安定化を実現。
見積事例
●ケーブルテレビ事業者による見積事例(2022年)※マンション内の戸数:約50戸
・マンション棟内の配線方式:既存の同軸線(TV配線)を流用
・通信速度:下り最大1Gbps、上り最大100Mbps
・契約期間:5年
・初期費用:無し
・月額利用料:約800円/戸
・専有部設備:要モデム設置
 
●既存電話線を利用したサービスの見積事例(2023年)※マンション内の戸数:約50戸
・マンション棟内の配線方式:既存の電話線を流用
・通信速度:最大1.7Gbps
・契約期間:6年
・初期費用:約150万
・月額利用料:約600円/戸
・専有部設備:WiFi6機器
全戸一括契約時の注意点
(1)当初の契約期間終了後の解約、回線不良などのトラブルの取り扱い
 
・一棟オーナーによるインターネット無料や賃貸がないファミリーマンションでは、契約関係が2重にはなっていないが、投資用のワンルームマンションでは、契約関係が2重になる(インターネット接続業者-管理組合、各大家-賃貸入居者)になる点で、回線不良などのトラブル時や解約時に問題が生じる恐れがあります。
 
1)管理組合とインターネット接続業者との契約解除
 
・サービス品質の問題や月額利用料が大幅値上げなどが生じて、契約を解除したいという意見が多くなって、解除しようと思ったときに通常の契約行為のように解除ができるのかどうか事前に検討する必要があります。
→通常の組合の契約行為では、過半数の賛成で容易に解除できるが、各区分所有者と賃貸入居者との賃貸契約にも直接的に影響を与えるので、特定の区分所有者から強い反対が出る可能性もあります。
→規約で”共用部分の変更が専有部分の使用に特別の影響を与えるときはその専有部分の組合員の承諾が必要”に該当し、通常の過半数決議のみでは足りなくて、該当する区分所有者の承諾も必要になってしまうのかどうかも気になります。
 
2)管理組合が一括契約を解約すると賃貸入居者からクレームがこないか?
 
・インターネット無料前提で、相場より高い家賃で契約している入居者からクレームがくる可能性があります。
 
3)回線不良などでサービスが利用できない場合の対応
 
インターネット無料で各区分所有者が賃貸契約をするとインターネット利用が家賃に含まれ、インターネット利用の賃貸入居者に対するサービス提供者がエアコンや給湯器などと同様に各大家になって、民法611条の”賃借物の一部滅失等による賃料減額等”の対象となるのかどうか、も気になります。
改正民法施行に伴う民間賃貸住宅における対応事例集(pdf、p46~、事例17、18)
民間賃貸住宅に関する相談対応事例集
上記資料の事例では、一週間利用不可で月額家賃10%の減額、2ヵ月利用不可の場合は、代替手段のWifi利用料を大家が負担となっている。
 
(2)実際の利用状況把握、今後の利用状況予測
 
●一般組合員に対するアンケートで挙がった反対意見
・パソコンを使用していない人も多くいて、スマホのみの人にはそれほどメリットがないのではないか?
・5Gが普及すれば、有線でのネット接続はあまり利用されなくなるのでは?
 
●サービス導入後の実際の利用状況は把握できるのか?
・実際に何人の入居者がインターネット接続設備を利用しているのかをインターネット接続業者から教えてもらえるのか?
→思っていたより利用者が少ないときには、次の更新時に継続するか検討したりはできるのかどうか。
つなぐネットコミュニケーションズ
(1)アルテリアグループが提供するインターネット接続サービス
 
1)概要
 
〇回線品質
・回線事業者であり、独自の光ファイバーネットワークを持つことによる品質が強み。
・回線キャリア+ISP一体型サービスの強みを生かし、建物に適した回線方式、建物への導入工事、保守・サポートまでグループ一貫体制で快適なインターネット環境を提供。
 
〇主なサービス(速度、配線方式)
・構内光配線方式で、「マンション全戸オールギガ光配線タイプ」や「マンション全戸一括 10Gタイプ」などの高速・高品質な通信サービスを提供。
・棟内LAN配線で各住戸まで2.5Gbpsや5Gbpsの通信速度を実現するサービスを提供。
・電話回線を用いて最大1Gbpsのサービスを提供できるG.fast規格に対応したプランも提供。
 
〇優先制御
・SD-WANを活用した「Connectix(コネクティクス)」は、利用者ごとに接続するための優先ルートを用意することでスムーズな接続環境の提供を可能にしており、在宅勤務やオンライン授業、動画視聴、オンラインゲームなど高速・大容量の通信ニーズに対応する。
 
2)バックボーン
 
・国内外多くのISPと直接接続やトランジット接続を行い、大容量のバックボーンを構築。
・一定の回線使用率を保つため、計画・監視をし増設をするなど通信の安定運用に努めている。
 
3)アクセス回線
 
・建物までのアクセス回線は専有型回線で、一般的に提供されている他のマンション、オフィス等のユーザーと回線を共有する共有型回線に比べ、他ユーザーのトラフィック影響を受けにくく、快適にインターネットを利用できる。
 
●つなぐネット 「シングルスター方式」
・マンション専用回線として、大容量の高品質光ファイバー回線を用意。
・他のマンションやビル等と共有する回線に比べ、他ユーザーのトラフィック影響を受けにくく、快適にインターネットを利用できる。
・最寄りNTT局に自前通信設備を設置。
 
●他社サービスのシェアドアクセス方式
・局舎内や電柱で分岐され、一本の回線を最大32ユーザーでシェア。
 
4)マンション全戸一括 2.5Gbps/5Gbps
 
・建物内に敷設済みLAN配線をそのまま活用、棟内機器をマルチギガビット・イーサネット対応機器に交換することにより、これまで1Gbpsでしか提供できなかった建物でも最大速度をあげることが可能。
 
●サービス提供仕様
サービスタイプ          回線速度  引込   提供方式
UCOM光 レジデンス マルチタイプ  2.5、5Gbps  専有型  LAN配線
e-manison             2.5、5Gbps  専有型  LAN配線
 
5)マンション全戸一括 10Gbps
 
●サービス提供仕様
サービスタイプ          回線速度  引込   提供方式
UCOM光 レジデンス マルチタイプ  10Gbps   専有型   光配線
e-manison             10Gbps   専有型   光配線
 
(2)オプションサービス「Connectix (コネクティクス) 」
 
1)概要
 
・利用者ごとに接続するための優先ルートを用意することでスムーズな接続環境の提供を可能にしており、在宅勤務やオンライン授業、動画視聴、オンラインゲームなど高速・大容量の通信ニーズに対応。
・SD-WAN技術を活用して、マンション内の住戸毎に通信品質をコントロールできる、日本初となる画期的な通信サービス。
 
2)サービスの特長
 
●優先ルートによる混雑回避
・SD-WAN技術を活用して、仮想ネットワーク上でマンション内の住戸毎に通信品質をコントロールし優先ルートで接続可能。
・テレワークなど大容量のデータを必要とする利用者に優先ルートに移行してもらうことで、一般共有ルートの混雑も解消。
 
●導入費用は変更なし
・Connectix対応のマンションインターネットサービス料金は、従来から変わらない。
※Connectixオプションを購入の利用者は、別途利用料を負担。
 
●必要な時に、即時利用可能
・必要な時、必要な期間だけ。
・不要な際の解約もスムーズなため、利用者の都合で気軽に申し込み可能。
・オンラインでの申し込みのため、利用したいときに即時に利用が可能。
・申し込み完了後、数分程度でサービスが適用される。
 
(3)UCOM光 レジデンス Five.A
 
・小規模の賃貸集合住宅に機能を絞って特化した全戸一括型のインターネットサービス。
・Wi-Fiサービスも標準設備として用意。
・次世代ネットワーク方式「IPv6 IPoE」の採用により、小規模な賃貸物件においても分譲物件さながらの高い通信品質を確保。
 
●システム環境
・通信キャリアであるアルテリアグループのバックボーンを使用し、分譲マンションで提供している高品質な回線をそのままに、賃貸向けにサービスを構築。
 
ISPバックボーン
 通信キャリアであるアルテリア・ネットワークスの高品質な回線を使用
収容局―建物
 棟内まで最大1Gbpsの光回線
室内
 居室内マルチメディアコンセント。LAN接続+Wi-Fi

●接続方式
〇<従来の接続方式>PPPoE方
・「NGN網とISPの接続点である網終端装置」で、ネットが遅い、つながらない、レスポンスが悪いなどの混雑が発生していた。
 
〇<Five.Aで提供する新接続方式>IPoE方
・今まで速度遅延の原因となっていたPPPoE方式の網終端装置を経由しない新たな通信方式である「IPoE方式」で接続。
 
●サービス提供仕
サービスタイプ 回線速度 接続方式 提供方式 居室内設備
Five.A      1Gbps  共有型  LAN配線  壁埋込型無線LAN
 
(4)UCOM光 レジデンス
 
・マンション「全戸一括型」 インターネット接続サービス
 
●システム環境
・自社でバックボーンを保有し、法人向けの高品質な専有型回線をマンションに引込。
・バックボーンから、棟内配線まで当社がワンストップでサービスをコントロールし、高品質の回線サービスを提供。
 
●サービス提供仕様
サービスタイプ 引込の接続方式 速度      提供方式
一括マルチ    専有型    10Gbps     光配線
                5Gbps、2.5Gbps LAN配線
                1Gbps      光配線、LAN配線、G.fast
                100Mbps     LAN配線
オールギガ光配線 専有型    1Gbps      光配線
一括       専有型    1Gbps、100Mbps  LAN配線
一括シンプル   共有型    1Gbps      LAN配線、G.fast
                100Mbps     LAN配線
ギガプライズ
(1)特長
 
・OEM先からの受注にも力を入れている。
・NECネッツエスアイ、Broadcomと共同開発した既存電話線を用いた集合住宅向けISPサービス「SPES(エスピーイーズ)」や、通信機器メーカーのディーリンクジャパンと開発した脱着式のWi-Fiアクセスポイント「PWINS(ピーウィンズ)」。
・専用線型・優先ゲート方式インターネット接続サービス
 
(2)集合住宅向けISPサービス
 
1)ギガプライズのサービスの特徴
 
①ネットワーク品質
・自社に専任のネットワークエンジニアチームを保有。
・インターネット接続環境からインターネットマンションの有効活用まで総合的にプロデュース
・仕様設計からメンテナンスサポートまで、最新のインターネットソリューションをワンストップで提案
 
②全国105万戸超の導入実績
 
③OEM提供
・設置導入からカスタマーサポートまでワンストップのサービスを、OEM提供先ブランドにて提供。
 
④IPv6対応
・動画サービス視聴の一般化などで近年急激に増加したトラフィックへの対策として、IPv6インターネット接続技術の導入を進めている。
 
2)ネットワーク機器の品
 
〇ルーター
・WEB-GUI対応の為、遠隔サポートがスムーズ。
・IPv6対応。
・リダイレクト機能搭載。
・故障率1%以下。
 
〇ハブ
・遠隔でのポート制御機能搭載。
・VLAN対応。
・ファンレス設計。
・省エネイーサネット対応。
 
〇埋込無線AP
・IEEE802.11a/b/g/n/ac対応。
・2.4,5Gデュアル対応。
・速度(理論値)433Mbps
 
3)PWINS:新築物件向けの集合住宅向けISPサービス
 
●特徴
・従来の壁埋め込み式Wi-Fiアクセスポイントから、Wi-Fi通信を行う無線ユニットを分け脱着式にすることで、技術革新によるWi-Fi規格の変更などによるハードウェア交換時にかかる入居者との日程調整および工事調整などのコストを大幅に縮小することを可能にしたサービス。
 
●システム構成
①共用部までのアクセス回線
・大容量高速通信の光ファイバーを共用部まで引き込む。
 
②共用部のネットワーク機器
・共用部のMDF(主配電盤)、IDF(中間配電盤)に設置
 
③棟内配線(LANケーブル)
・共用部から専有部までは、インターネット専用のLANケーブルを配線
 
④着脱式無線アクセスポイント「PWINS」
・次世代Wi-Fi規格に容易に換装
・工事不要で簡単に着脱可能なため、無線ユニットの交換やメッシュ機能、Wi-Fi6対応の後継機器などへの換装が容易。
 
4)SPES:既存物件向けの集合住宅向けISPサービス
 
NECネッツエスアイ、Broadcomと連携し、SPE(Single-Pair Ethernet)技術を活用した、既存電話線を用いてインターネット接続が可能となる集合住宅向けISPサービス。
 
●特徴
①宅内工事不要
・宅内装置は梱包状態のまま郵便受けに投函可能なサイズ。
・設置は電話線につなぐだけの簡単設計。
・入居者様との工事日程を調整する必要もなく、お手軽にインターネットを利用できる。
 
②通信速度
・ルータ・センター装置間は1Gbps、センター装置・宅内装置間は100Mbpsの通信が理論上可能。
・実行速度は、30~90Mbps。
 
③既存設備の活用
・電話用2芯ケーブルを活用することで既存物件でも新たな屋内工事を施工せずにインターネット利用が可能。
・宅内装置も電話線につなぐだけと簡単設置。
・手軽にWi-Fi環境の提供可能。
 
④最新のEthernet通信規格
・「BroadR ReachR」はシングルペアのツイストケーブルを用いた通信&給電技術が可能であり車載インターネットとして標準化が進んでいる最新の通信規格の1つ。
・SPESは、その技術を集合住宅へ用いることで、快適なインターネット環境を提供することができる。
 
※DSL技術との違い
・「SPES」は、DSL技術同様に2芯での通信だが、イーサーネット通信方式を応用した新たな方式を採用することにより、100Mbpsの安定した速度を実現できる。
 
●システム構成
①共用部(ルータ、センター装置)までのアクセス回線
・光ファイバー引き込み。1Gbps。
 
②共用部のネットワーク機器
・ルーターセンター装置ー宅内装置間は1Gbps
 
③棟内配線(既存の電話線)
・センター装置(親機)から各宅内装置(子機)間は100Mbpsの通信が可能。ただし、宅内装置(子機)から先はWi-Fi接続
 
④専有部
・宅内装置(子機)から先はWi-Fi接続。
 
(3)高品質インターネット接続サービス(専用線型、優先ゲート方式)
 
1)専用線型:GIGA Direct Connect
 
・他の利用者とは共用しない専用回線を経由することで、安全性を確保。
・大規模集合住宅向けに開発された、専用線型の高品質インターネット接続サービス
 
●サービス仕様
・通信最大速度:1Gbps (各居室まで最大速度1Gbps)
・集合住宅規模:50世帯以上の建物
 
2)優先ゲート方式:GIGA Priority Gate
 
・一般利用者とは共用しない優先ゲートを経由することで、安定性を確保。
・NTT東西フレッツ網(NGN)にて、GLBBジャパンが保有する仮想通信路を確立する技術を活用した、仮想通信路による優先ゲート方式の高品質インターネット接続サービス。
 
●サービス仕様
・通信最大速度:1Gbps (各居室まで最大速度1Gbps)
・集合住宅規模:20世帯以上の建物
ソニーネットワークコミュニケーションズコネクト
(1)NURO 光 Connectの概要
 
・超高速インターネット「NURO 光」の集合住宅向け全戸一括サービス。
・国際標準規格であるGPONの採用と、NURO 光用に開発されたホームゲートウェイ(ONU)を組み合わせたことで、個人宅向け商用サービスで下り最大2Gbpsを実現。
・速度遅延によるストレスのない快適なインターネットライフを提供。
 
(2)特徴
 
①最大2Gbps高速インターネット
・一般的な光回線:下り最大 1Gbps
・ケーブルテレビ:下り最大 320Mbps
※NURO 光 Connect 10Gは、下り最大10Gbps
 
②オール光配線
・同じ光回線でも回線の最大速度や伝送方式の違いにより速度に大きな違いがでる。
・NURO 光はインターネット網からマンションの各住戸まで直接光回線を引き込むため、速度低下のボトルネックが無く、快適なインターネット環境を実現する。
・一般的なマンションのLAN配線方式では、マンション共用部まで光回線を引き込み、棟内LAN配線で各住戸をシェアしている。
 
③高性能ソニー製ONU
・各住戸設置のONU(回線終端装置)は、無線LAN機能を標準搭載しているため、追加費用なしでWi-Fiが利用できる。
・新製品のソニー製ONUは、最新規格であるIEEE802.11ax(Wi-Fi6)に対応。
アイコネクト
(1)概要
 
・通信回線はIPv6(IPoE/IPv4 over IPv6)接続方式、Wi-Fi端末はWi-Fi6(11ax)対応の端末を採用。
・年間20,000戸以上の導入実績
・工事からサポートまで、工程のすべてを自社で完結しているため、必要コストを最小限に抑えることで、他社の無料Wi-Fiサービスと比較して10~20%ほど安い業界最安クラスの料金
 
●システム構成
・MDF/IDF等の共用部にネットワーク機器を設置
・配管を利用してLANケーブルを各部屋に配線。
・部屋内には有線LAN又は埋込無線LANの情報コンセントを設置
 
(2)高品質のインターネット接続サービス
 
・株式会社GLBB Japanと提携し、SD-WAN※を応用した先進技術のインターネットサービス。
※SD-WAN:ソフトウェアの仮想化技術によって、ネットワークの制御や可視化を行い、最適化する技術
 
1)アイネット Rich Path
 
・通信局舎から建物まで独立した専用線を用意する専用線接続型。
→他の回線の通信の影響を受けることがなくなり、従来の接続よりも回線が高速・安定化を実現。
・SD-WAN技術の仮想通信経路により、今後のトラフィック増加やIoTの多様化に備えた強固なインフラを形成。
 
2)アイネットVirtual Path
 
・NTT東西フレッツ網(NGN)内に GLBB Japanのバックボーンを用いたSD-WAN技術の仮想通信経路を確立し、それを「アイネット」のインフラに組み合わせることで、一般利用者と共用しない通信経路を確保し、従来の接続よりも回線が高速・安定化を実現。
 
(3)アイネット メタル fast(ファスト)
 
・Ruijie Networks Japan株式会社と共同開発した、高速ホームネットワークの統一規格「G.hn※」を利用した集合住宅向けインターネットシステム。
※G.hn: Gigabit Home Networkingの略称 (ITU-T勧告 G.9960, G.9961,G.9972)、 有線(同軸、電話線、電力線)を用いた高速ホームネットワークの統一規格
 
●サービスの特徴
・既設の電話線を活用するため、マンション内に新たな通信配線の敷設が不要。
・構造や費用の面でLAN ケーブルを敷設できずにいた既存建物への導入も可能。
・居住内での回線速度が最大で1.7Gbpsと高速で安定したインターネットを安価に提供。
J:COM
(1)J:COMのしくみ
 
・J:COMのサービスは、大容量の広帯域ネットワークによって行われていて、1本のケーブルで3つのサービスを提供している。
 
ヘッドエンド:光ケーブル
 ↓
光信号変換機器:同軸ケーブル
 ↓
保安器→STB(専用チューナー) J:COM TV
   →ケーブルモデル    J:COM NET
   →電話用ケーブルモデム J:COM PHONE
 
(2)インターネット全戸一括サービス
 
1)特長
 
●導入コスト
・無料で導入可能
・テレビ受信やインターネットに関する維持管理を委託できる。
 
2)通信速度
 
①320M+無線(同軸方式)
・下り:320Mbps、上り:10Mbps
②1G+無線(同軸方式)
・下り:1Gbps、上り:100Mbps
③光1G LANタイプ(LAN方式)
・上下最大 1Gbps
④光1G FTTHタイプ(GE-PON方式)
・上下最大 1Gbps
※GE-PON
・光ファイバーによる公衆回線網において、一本の回線を複数の加入者で共用するPON上でギガビットイーサネットの信号をそのまま流す技術。
・最高1GbpsのFTTHサービスを提供することができる。
 
※PON(Passive Optical Network)
・受動素子により光信号を分岐・合流させ、一本の光ファイバー回線を複数の加入者で共有する手法で、送受信される光信号でGbEのフレームを直にやり取りする方式がGE-PON。
その他のサービス事業者
(1)ファイバーゲート
 
1)概要
 
・集合住宅の物件オーナー様向けに全戸一括で入居者が「インターネット無料使い放題」となるインターネット接続サービスを提供。
・賃貸マンション・アパートへの導入が主となっているが、分譲マンション・学生寮等、あらゆる集合住宅をWi-Fi化している。
 
●FGBB
・マンション・アパートのオーナー様向けに提供している「Wi-Fi入居者無料サービス」の独自ブランドサービス。
 
●FG Home IoT
・家庭に設置されている電化製品などを、ファイバーゲートの通信サービスとつなげてスマートに利用可能とするIoTソリューション。
 
2)特徴
 
①ベストエフォート型の高速光回線
・マンション共用部まで、1Gbps以上の光回線をベストエフォート式で提供
 
②壁埋め込み型Wi-Fiが標準で設置
・部屋に独自開発の壁埋め込み型の無線(Wi-Fi)アクセスポイントを標準で設置
・部屋に無線LAN用通信機器を別途設置するスペースは必要がなく、LANケーブルも必要ない為、部屋がスッキリ。
・LANジャックもあり、ケーブルでも接続可。
 
③IPv6対応により、ネット通信の「遅い」を解消
 
3)システム環境
 
①共用部までのアクセス回線
・光ファイバーを複数回線敷設し、物件規模に適した十分な帯域を確保
・IPv6対応。
 
②共用部の集合装置、機器収納BOX
・ルーター、ONU、HUB
・独自の帯域制御機能により、各戸に均一な帯域を割り当て。
 
③棟内配線(LANケーブル)
・信号の減衰が少ないLANケーブルを採用するため、将来の回線増速にも対応可能
 
4)回線速度
 
・マンション共用部まで、1Gbps以上の光回線をベストエフォート式で提供。
・エリアや建物の状況によって、2Gbps以上の光回線やIPv6も対応。
 
5)工事内容
 
・建物の共用部に集合BOXを設置。
・集合BOXまで光回線を敷設。
・各部屋までLANケーブルを敷設し、壁埋め込み型Wi-Fiを設置
 
(2)D.U-NET
 
1)特徴
 
・大和ハウスの賃貸住宅「D-room」向けへの導入が進む。
・近年はインターネット回線品質の向上を目的に10Gbps化も積極的に進めており、他社導入物件の切り替え需要も取り込む。
 
2)システム環境
 
①共用部までのアクセス回線
・最大10Gbpsの光回線を引き込み。
・建物全体において有線接続はベストエフォート型
 
②棟内配線(LANケーブル)
・建物全体から各居室内にLAN配線方式で分配されているシェア型の提供サービス
 
③専有部内
・埋込型Wi-Fiアクセスポイント。有線LAN+Wi-Fi
・Wi-Fiは5GHz帯にも対応。
 
(3)NTTメディアサプライ・DoCANVAS
 
1)特徴
 
・NTTグループの光インターネットサービス
・IPv6対応で棟内最大1Gbpsプランを用意。
・部屋数4戸以上から提案可能。
 
2)システム環境
 
①共用部までのアクセス回線
・NTT西日本またはNTT東日本の光ファイバー(最大1Gbpsのベストエフォートサービス)を使用。
 
②棟内配線
イ)LAN配線方式(プランA・B)
・機器収容ボックス・ラック:ONU/ルータ/スイッチングハブ
 
ロ)VDSL配線方式(プランC)
・機器収容ボックス・ラック:ONU/ルータ/主装置/電話線)
・MDF:電話回線/電話端子盤/電話線
 
③専有部内
イ)LAN配線方式(プランA・B)
・住戸内ハブ→情報コンセント
 
ロ)VDSL配線方式(プランC)
・電話用ジャック→アダプター
 
3)通信速度
 
イ)LAN配線方式(プランA・B)
・マンション内は最大1Gbps
 
ロ)VDSL配線方式(プランC)
1:下り最大51.2Mbps 上り最大6.4Mbps
2:下り最大100Mbps  上り最大35Mbps
 
(4)ブロードエンタープライズ・B-CUBIC
 
1)特徴
 
・回線1Gbps(ベストエフォート)
・プロトコルIPv6
→NTT網終端を通る1Pv4を利用しないので、【遅い】【繋がりにくい】を解消。
・オプションでWI-Fi6(最大通信速度9.6Gbps)利用可
・配線Cat6A(10Gbps対応)
 
2)契約プラン
 
①ベーシックプラン
・新築物件・既存部件・小戸数アパートから大型マンションまであらゆる物件に導入可能。
 
②他社切り替えプラン
・システムをバージョンアップし、且つ価格は安価に提案。
・テレビの視聴環境(アンテナ設置・ケーブルテレビなど)の切り替え(地域・戸数制限あり)も対応。
 
③新築マンションプラン
〇光配線方式
・電柱から棟内共用スペース(MDF)に光回線を引き込み、MDFから各居室まで棟内の配管を利用し光回線を配線。
 
〇高速インターネット(5Gbps・10Gbps)
・通信速度が最大5Gbps・10Gbpsの光回線をマンション棟内まで引き込む。
 
3)配線方式
 
①LAN配線方式
・主配線盤(MDF)内に収納盤を新設し、電柱からきた光配線を電気信号に変換する回線終端装置(ONU)、複数の通信を制御する主装置(ルーター)、各部屋へ通信を分配する分岐装置(SWハブ)を設置。
・各部屋へ通信を分配する分岐装置(SWハブ)は、各階の中間配線盤(IDF)内に収納盤を新設し、各部屋までLANケーブルを引き込む。
 
②同軸配線方式
・既設のテレビ共聴設備(同軸ケーブル)を伝送経路として、インターネット(IP)の双方向通信を実現できるG.hn方式を採用した同軸線モデムを設置。
 
③PLC配線方式
・共用部にある建物配電盤内にHD-PLCの親機を設置。
・各部屋の分電盤の横にHD-PLC子機設置のための専用コンセントを作り、HD-PLC子機を設置。
 
4)宅内導入方法
 
①有線タイプ、Wi-Fi(据え置き型)
・部屋内にLANケーブルの差込口を設置。
・Wi-Fi環境にする為には、入居者が各自でWi-Fiモデムを用意。
 
②Wi-Fi(埋め込み型)
・部屋内にコンセント一体型のWi-Fiモデム(LAN差込可能)を設置。
 
(5)イーブロードコミュニケーションズ
 
1)概要
 
・集合住宅を専門に、光回線供給、構内ネットワークの設計・施工、プロバイダーサービス、カスタマーサポートまで自社一元管理によるワンストップサービスで提供
・IPv6、Wi-Fi6対応。
 
2)システム環境
 
●構内設備:光ファイバー回線の引き込み
・既存の電話端子盤(MDF・IDF)にネットワーク機器を設置し建物まで1Gbpsの光ファイバーを引き込み。
 
●宅内設備:LANポート・Wi-Fiアクセスポイント
・既存の電話配管などを利用し、各部屋にLANを配線し以下のような設備を設置。
・別途、室内にモデムやルーターなどの機器を置かずにインターネットを利用できるため、入居者の利便性向上や室内の省スペース化に効果的。
 
〇有線LANプラン
・全室にLAN配線を敷設し、全ての居室にインターネットを供給。
・室内はLAN差込口が設置され、有線での接続が可能。
・この基本プランのみで契約の場合、Wi-Fiは利用者側で用意。
 
〇有線LAN+Wi-Fi(無線LAN)プラン
・各部屋にWi-Fi6のアクセスポイントを設置。
・デュアルバンド(2.4GHz帯/5GHz帯)対応により、室内の状況に適応しやすい無線LAN環境を構築できるほか、有線LANでも利用可能。

コメントを残す

Your email address will not be published.

You may use these HTML tags and attributes: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <s> <strike> <strong>

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください