長期修繕の修繕項目・周期・方法:情報・通信設備

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電話設備
(1)長期修繕計画作成ガイドラインの記載例
 
●修繕項目
・電話配線盤(MDF)、中間端子盤(IDF)等
 
●修繕周期
〇取替:28~32年
 
(2)改修工事の概要
 
・ケーブル自体は引込からMDF盤までが電話会社、MDF盤各戸の電話端子までは管理組合が保守管理するのが一般的。
・旧来のMDF盤・IDF盤は扉がネジで簡単に開閉するタイプのものが多く、盗聴されやすい環境にあり、セキュリティー確保の観点から、施錠付きの扉のものに取替える。
・各情報通信設備の性能は今後さらに向上・発展することが予想されるため、将来の取替え等に容易に対応できるよう、管路・配線スペースに余裕を持たせておくことや、管路・配線スペースを多めに確保しておくことなどが重要になる。
テレビ共聴設備
(1)長期修繕計画作成ガイドラインの記載例
 
●修繕項目
・アンテナ、増幅器、分配器等
※同軸ケーブルを除く  
●修繕周期
〇取替:15~20年
 
(2)改修工事の概要
 
1)未改修時の状況
 
〇マンションの一般的な設備状況
・屋上に設置したアンテナでテレビ放送の電波を受信し、この信号を同軸ケーブル上で混合・増幅・分配・分岐して、各住戸のテレビ端子からテレビ受像機に取り出す共同視聴システムが採用されている。
 
〇高経年マンションの状況
・共聴システムにBS・CS放送が組み込まれているものはまだ多くはなく、各住戸でバルコニーにBS・CSアンテナを設置し直接受信しているケースが見受けられが、美観上問題であるばかりか、避難上の問題となるケースもある。
 
2)BS・CS共同受信設備を導入
 
・BS・CS共同受信設備(BS-IF方式、CS-IF方式)を導入することが考えられる。
 
3)受信設備の性能をグレードアップする
 
・旧来の同軸ケーブル(充実型ポリエチレン絶縁ビニールシース同軸ケーブル:5C-2V、7C-2V等)は構造上シールド効果が弱く、雑音や画像の乱れの原因となっている。
・BS・CS放送やCATV等を受信する場合には、シールド効果の優れた材質の同軸ケーブル(発泡ポリエチレン絶縁ビニールシース同軸ケーブル・高発泡ポリエチレン絶縁ラミネートシース同軸ケーブル:S-5C-FB、S-7C-FB 等)に取替えることが望まれる。
・TV受け口の端子を高機能のものに取替える。
・各放送のデジタル化に伴い双方向システムへの変更が必要な場合、システムに適した増幅器への取替えや伝送性能を確保できる同軸ケーブルの引替え等が必要となる。
 
4)配線・機器類の取替え
 
・共聴設備の配線方式には、縦配線(直列ユニット方式)とスター配線(幹線分岐方式)とがあるが、従来の集合住宅では、縦配線が一般的。
 
●縦配線(直列ユニット方式)
・従来の集合住宅の共聴設備で採用されていた方式で、アンテナで受信した信号を混合・増幅した上で分配器や分岐器で必要な縦系統に分けて、端末以外の途中の住戸には中継用の直列ユニットで分配する方式。
・同系統住戸への影響(一時受信不可、調整等の作業が系統住戸にも及ぶ)があるため、一般的には、テレビ端子の増設や変更は困難。
 ただし、近ごろでは、フィルター付き直列ユニットの採用により、各戸で多様な受信形態が選択できるようになってきている。
 
●スター配線(幹線分岐方式)
・幹線から分岐器で支線を出し、各住戸内の分配器で各部屋のテレビ端子や通信用端子に分配する方式。
・分岐単位の信号レベルを各戸単位で調整しやすく、改修や変更が各住戸で可能。
・衛星放送の伝送方式(BS-IF、CS-IF)をそのまま伝送するのに適している。
 
5)各住戸のニーズにあわせた受信形態が選択できる配線システムへの改善
 
・各居住者(住戸)のニーズの多様化に対応した受信形態を選択できる配線方式への改善が課題になると考えられる。
・既存の縦配線の配線形式を、各戸で多様な受信形態を選択できるスター配線へと改善することなどが課題になる。
インターネット設備
(1)長期修繕計画作成ガイドラインの記載例
 
●修繕項目
・住棟内ネットワーク
 
●修繕周期
〇取替:28~32年
 
(2)改修工事の概要
 
1)CATVを活用したインターネット改修
 
・CATVインターネットでは、電話回線を使用せず、CATVの回線をインターネット接続に利用するため、CATV事業者と契約し、電柱から住棟へのケーブルの引き込みと外壁面への保安機を設置し、室内にケーブルモデムを設置して利用する。
 
2)光ファイバーを導入
 
・光ファイバーの導入方法としては、各戸まで直接光ファイバーを引き込む方式(FTTH)、住棟入口まで光ファイバー網を敷設し、住棟内の構内配線は既存の電話線等を活用する方式(VDSL、HomePNA)、等があるが、一般的には後者の方法が採用されることが多い。
 
●VDSL、HomePNA等の工事手順
イ)住棟のMDF盤(棟内電話回線の主配線盤)に隣接してユーザー系構内光キャビネット(PT/Premises Termination)及びハブと集合型HomePNAを内蔵した変換装置(パイプスペース内に収まる薄型のユニットが開発されている)を設置し、MDF盤とジャンパ線で接続し、光ファイバーケーブルをマンションに引き込む。
ロ)MDF盤の中に端子盤(200UTS)を設置し、メタルケーブルで住戸内のモジュラージャック(電話用)に接続する。
ハ)住戸内ではモジュラージャックからHomePNAアダプタを介して、LANケーブルでパソコンと接続する。
インターホン設備等
(1)長期修繕計画作成ガイドラインの記載例
 
●修繕項目
・インターホン設備、オートロック設備、住宅情報盤、防犯設備、配線等
 
●修繕周期
〇取替:15~20年
 
(2)取替工事の概要
 
・テレビモニタを内蔵したタイプや、ガス漏れ検知器や非常用押しボタンなどを付加したタイプ、住戸用自動火災報知設備や宅配ロッカーと連動したタイプ、管理会社や警備会社に住戸ごとの警報内容を移報できるタイプ、コールボタンで管理事務室に緊急通知が可能なタイプ等もあり、こうした機能を付加することも検討課題になると考えられる。

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