RC躯体、外壁の劣化、原因

〇過去問
・管理業務主任者 
・マンション管理士 
 
 
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工法の種類
1)乾燥収縮によるクラック、ひび割れ
 
・コンクリートの乾燥収縮による縦・斜めひび割れとコンクリートの水平打ち継ぎ部の接着不良による横ひび割れ(コールドジョイント)がある。
・コンクリートの乾燥収縮によるコンクリートのひび割れは、開口部の周囲では放射状に生じる。
 
2)鉄筋腐食、鉄筋露出
 
・鉄筋コンクリート中の塩分による影響のほか、鉄筋に対するコンクリートのかぶり厚(鉄筋の表面から、これを覆っているコンクリート表面までの最短の寸法)の不足、またはひび割れ、粗雑なコンクリート打設等による雨水の浸入等がある。
・鉄筋露出とは、腐食した鉄筋が表面のコンクリートを押し出し、剥離させ、露出した状態をいう。
・剥落は、コンクリートの中性化による鉄筋の腐食によって、鉄筋が膨張することによって発生する。
 
〇錆汚れ
・腐食した鉄筋の錆がひび割れ部分から流出して、仕上げ材又はコンクリートの表面に付着した状態。
 
〇爆裂
・コンクリート内鉄筋が発錆・膨張し、この時生じる圧力が周囲のコンクリートを破壊する現象。
・鉄が鉄錆に変化すると体積は約2.5倍に膨張すると言われている。
 
〇かぶり厚
・新築時のかぶり厚さが不足していると、コンクリートのクラックなどから雨水が浸入して、躯体内の鉄筋に錆が生じた結果膨張して発生する。
・ひび割れやはく離が梁の補強筋に沿って発生している場合は、コンクリートのかぶり厚さ不足による鉄筋腐食の可能性が高い。
・鉄筋に対するコンクリートのかぶり厚さは、耐力壁、柱又ははりにあっては3㎝以上、直接土に接する壁、柱、床若しくははり又は布基礎の立上り部分にあっては4㎝以上としなければならない。*建築基準法施行令79条1項
 
※鉄骨に対するコンクリートのかぶり厚さ
・国土交通大臣が定めた構造方法を用いる部材及び国土交通大臣の認定を受けた部材を用いる場合を除き、「5㎝」以上としなければならない。 *建築基準法施行令79条の3
 
〇塩化物イオン
・鉄筋が腐食し始める塩化物イオンの量は、1.2kg/m2とされており、それ未満のものはコンクリートの強度に直接影響を与えるものではない。
・コンクリートの塩化物の含有量が多くなると、鉄筋コンクリートの中の鉄筋は錆びやすくなるが、コンクリートの強度が低下するということはない。
 
3)コンクリートの中性化
 
・コンクリートは本来アルカリ性だが、長い年月の間に空気中の”二酸化炭素”の影響によって中性化する。
 コンクリートの細孔溶液中の水酸化アルカリと骨材中のアルカリ反応性鉱物との化学反応等が原因ではない。
・中性化が進むと内部の鉄筋を保護できなくなり結果として鉄筋に錆が生じ、その部位の強度が低下する要因となる。
・コンクリートの中性化による鉄筋の腐食によってひび割れが生じる場合は、ひび割れは鉄筋に沿って生じる。
・打ち放しコンクリートの場合、室内の方が、人が生活で出す空気中の二酸化炭素に触れる機会が多いため、コンクリートの中性化が速く進む。
 
4)アルカリ骨材反応
 
・コンクリート中のアルカリ反応性の骨材(砂や砂利)とアルカリ成分が長期間に渡り化学反応を起こすことで膨張し、コンクリート表面にひび割れ等を発生させる現象。
・コンクリートに含まれるアルカリ性の水溶液が骨材の特定成分と反応し、異常膨張やそれに伴うひび割れなどを引き起こすことをいう。
・コンクリート表面に多くの不規則な網目や亀の甲羅状のひび割れができる。
 
5)エフロレッセンス(白華現象)
 
・コンクリート表面やタイル目地表面から発生する白色の物質をいう。
・主にコンクリートのひび割れやタイル及び石張りの目地から生じる。
・コンクリート中の可溶性物質やコンクリート周辺に存在する可溶性物質が、水分とともに貫通したひび割れを通ってコンクリート表面に移動し、水分の逸散や空気中の炭酸ガスとの反応によって析出したもの
・セメント中の石灰等が水に溶けて表面に染み出し、空気中の炭酸ガスと化合してできたものが主成分であり、コンクリート中への水の浸透等が原因で発生する。
 
6)ジャンカ(豆板)
 
・打設されたコンクリートの一部に砂利や粗骨材が多く集まってできた空隙の多い構造物の不良部分。
・豆板が生じるとセメントと砂利が分離して空隙が生じ、その部分から中性化が進行しやすい。
・コンクリート打設時の締め固め不足
 
7)ポップアウト
 
・コンクリート表面にできた、クレーター状の円錐形のくぼみをいう。
・コンクリート内部の部分的な膨張圧によって、コンクリート表面を破壊してできたクレーター状のくぼみ。
・コンクリート中に膨張物質(CaO、MgO、硫化物、吸水性粘土鉱物等)の粒子が混入し、局所的な力が加わることにより、表層部が円錐状に剥離する現象。
・その原因は、凍結融解作用、反応性骨材、鉄筋の錆などが考えられるが、コンクリートの乾燥収縮は原因とはいえない。
 
8)不同沈下
 
・基礎や構造物が傾いて沈下すること。
・支持力不足・地盤の不均一性・偏荷重・基礎形式の違いなどによって生じる。
・不同沈下がある一定量を超えると基礎・壁・梁などにクラックが発生し、ドアや建具の開閉不良、建物の傾斜などの障害が出る。
・建物の不同沈下が起こると、コンクリートはひび割れを起こす。
・建物が不同沈下すると、建物にゆがみが生じ、ひび割れの発生原因となる。
 
9)コンクリートのブリージング
 
・コンクリートの打設後、コンクリートが沈下すると、表面に混練水が分離して浮き出る現象をいう。
・この場合、鉄筋や部材の上面に規則性のある直線状のひび割れが発生する。
・コンクリートの沈下により変化した鉄筋や部材の断面の上面に、規則性のある直線のひび割れができる。形状としては、スラブ上部梁柱接合部分の格子状あるいは線状となる。
 
10)コールドジョイント
 
・コンクリートを打ち継ぐ時間の間隔が過ぎたことによって、前に打ち込まれたコンクリートの上に後から重ねて打ち込まれたコンクリートが一体化せず、打ち継いだ部分に不連続な面が生じることをいう。
・この面のコンクリートは脆弱であり、ひび割れが生じていることが多く、構造物の耐力、耐久性、水密性を著しく低下させる原因となる。気温低下が原因で発生する現象ではない。
 
11)砂すじ
 
・コンクリート中の水分が分離して外部に流出する際に生じ、コンクリート表面に細骨材が縞状に露出するもの。
 
12)表面気泡(あばた)
 
・コンクリート混合時や打設時に多量の空気を巻き込んだもの。
鉄筋コンクリート造の変状、劣化進行
●初期欠陥
・施工時あるいは竣工後まもなく発生した変状
・ジャンカ、コールドジョイント、内部欠陥、砂すじ、表面気泡など。
 
●経年劣化
・建材の特性が時間の経過と伴に損なわれていく現象。
・ひび割れ、剥離、錆汁、エフロレッセンス、汚れ、変色、すり減りなど
 
●構造的変状
・設計で想定された以上の構造的変化によって生じる変位やひび割れ、亀裂等。
・たわみ、変形、異常振動、地盤沈下等
 
●損傷
・変状が時間の経過とともに進行しないもので、地震や衝突などで短時間のうちに発生するもの。
 
●コンクリートの劣化進行の例
 
①ひび割れの発生→雨や湿気が侵入
②エフロレッセンス、錆汁
③ひび割れの拡大
④劣化原因物質の侵入増加・漏水
⑤大気中の二酸化炭素、塩化物イオン等の侵入
⑥中性化、鉄筋の腐食、爆裂
外壁の劣化現象と原因
1)チョーキング(白亜化現象)
 
・主に塗装表面が紫外線、熱、水分、風などによって塗装面の表層樹脂に劣化が起こり、塗料の中の顔料がチョークのような粉状になり消耗していく現象・状態。
・直接的なコンクリートの劣化症状ではなく、表面塗膜の劣化症状のひとつ。
・チョーキングしていても、塗装の厚みが規定通りあればすぐに塗り替えが必要とは一概に言えない。
・指先や手のひらで塗装部分に触って付着する塗料の粉の状態で、劣化の程度を判断するという指触診断がある。
 
2)タイルの白華現象(エフロレッセンス)
 
・張りつけ用のセメントモルタル中の水酸化カルシウムが晶出したもので、タイルの背面に浸入した雨水の影響によるもの。
・門柱や外壁・擁壁などに張ったタイルが、塩を吹いたようになることをいう。
・雨水はタイルの目地から浸入する場合、擁壁のように壁の背後から水が浸出してくる場合のほか、バラペット上部の水切りが不完全で、壁の上部から雨水がはいる場合などがある。
・従来のタイル張り工法でなく、混和剤(接着剤)を含んだ張りつけモルタルを用いた、改良庄着張り工法で張ったものは、このような白華現象を起こすことが少ない。
・また目地材についても、防水性の目地セメントが開発されているのでその目地材を使うと良い。
 
3)タイルの剥離、浮き
 
・タイルとモルタルorコンクリートの境界面の接着が不良となり、隙間が生じ、部分的に分離した状態。
・タイルは温度により伸縮するので、壁面に伸縮調整目地を適切な間隔で設けない場合は、タイルに生じるひずみの影響により、剥離を生じることがある。
・タイル目地の接着力が高ければ落下は免れる。
 
4)外壁タイルのひび割れ
・タイル自体の原因だけでなく、下地であるコンクリートの乾燥による収縮によるものなどもある。
・下地のコンクリート躯体やモルタルのひび割れの発生に伴って起きる場合が多い。
 
5)モルタル塗り外壁の浮き
 
・モルタルと躯体コンクリートとの界面相互の接着が不良となり、隙間が生じ部分的に分離した状態をいい、「剥離」ともいわれる。
・表面上は分かりにくいので、打診等による調査が必要となる。
 
6)モルタル塗り外壁のふくれ
 
・モルタル塗り外壁の浮きが進行し、面外方向、つまり外側に凸状に変形が増大し、肉眼で確認ができる状態になったものをいう。
 
7)欠損
 
・タイルやモルタルなどが部分的にかけた状態。
・落下につながるので、注意が必要。
・内部の応力によるものと、外部の衝撃によるものがある。
外壁の変状、劣化進行
1)モルタル壁
 
①表面の塗装の劣化が進行
・この段階で、修繕を行うことが必要。
②ひび割れが発生
・このような状況になったら、早急に修繕を行うことが必要。
③ひび割れから雨水等が浸透し、鉄筋にさびが発生。ひび割れが拡大
・この段階まで進むと、工事内容は大掛かりなものとなり、費用も多額となる。
④鉄筋の錆が進み、コンクリートがもろくなり、はがれ落ちる
 
2)タイル壁
 
①タイルの浮き(単体)、タイル目地ひび割れ
→タイル単体での補修
②タイルの浮き(面的)、タイルのひび割れ(躯体のひび割れによる)、タイル下地の浮き(面的)
→面的なタイルの補修
③タイルの欠損(面的)、タイル下地の欠損(面的)
→外壁タイル面積の30%~全面の補修
 
3)外壁劣化の傾向
 
・劣化は、最初は緩やかに進むが、ある程度の年月が経過すると急激に進む。
・一般的に建築後10年~15年経過すると、建物に何らかの劣化が発生し進行する。
・放置すると目視ではっきりと判る状態となる。
→部分補修では済まなくなり劣化が周辺へと拡大し、修繕工事・費用共に大掛かりとなる。

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