マンションの地震リスク

マンションの地震リスクに関する情報をまとめました。
 
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耐震基準
●旧耐震基準と新耐震基準
 

○旧耐震基準
 
・1981年(昭和56年)5月以前に適用されていた基準。
・震度5強程度の中規模地震(数十年に一度発生する地震)に対してほとんど損傷しないことを検証し、震度6~7程度の大規模地震(数百年に一度程度)に対して倒壊しないということは検証していない。
 
○新耐震基準
 
・1981年(昭和56年)6月1日以降着工した建築物に適用されている基準。(SRCなどの鉄筋鉄骨造の場合、着工時から完成まで1年以上かかるので、1983年以降に竣工した物件は新耐震基準である可能性が高い)
・震度6強~7程度の大規模地震に対しても、ある程度の被害は許容するものの、倒壊(崩壊)して人命に危害を及ぼすことのない程度の性能を有することを検証した基準。
 
東日本大震災のマンション被害状況
 
東日本大震災のマンション被災状況を発表:不動産トピックス 【不動産ジャパン】
 
東日本大震災の被災状況について(pdf):一般社団法人 マンション管理業協会
地盤と震度
●丘陵地、山の手の台地
 
・形成された年代が古く洪積層を中心とした地盤。
・固結した地盤のため、揺れが増幅されにくく被害は発生しにくい。
 
●谷底低地
・台地を刻む谷底での堆積物でできた軟弱な地盤。
・揺れが増幅されやすく比較的被害が発生しやすい。
 
●沖積低地
・形成された年代が新しく、沖積層を中心とした地盤。
・海面下での堆積物でできた軟弱な地盤。
・揺れが増幅されやすく比較的被害が発生しやすい。液状化も起こりやすい。
地震に伴う火災のリスク
●木造密集地域での延焼
 
・環状7号周辺には耐震性の低い老朽木造密集地域が連続している。
 
●通電火災
 
・地震後の電力復帰時に、破損していた電気器具や倒れた電気ストーブ、壊れたコンセントやちぎれた電気配線から発火することがある。
・2004年の中越地震では、各住戸の電気ブレーカーを切ってあることが確認できない住民不在の住宅では、電気の引込み線を切断し、端末処理をした。被害数は減ったが復旧に時間がかかった。
 
●専有部からの出火
 
・台所の調理機器、暖房機器、アイロンなどの高温機器などが出火元。
・ガス機器については、震度5以上の揺れを感知するとマイコン制御で自動遮断されるのが一般的。
・電気の自動遮断装置は普及していないので、各住戸で電源を切る必要がある。
各マンションの構造、設備の影響
●ピロティ形式、店舗、駐車場など
 
・店舗や駐車場の階は壁が少なく専有部より変形量が大きくなりやすい。
ピロティ形式の耐震性
 
●複雑な形をした建物は強度が下がる
 
・建物が対称形(長方形など)でない。
・上の階と下の階の壁がつながっていない。
・隣接する2棟の骨組みが切り離されていたり、曲がっている。二つの建物の継ぎ目の部分(エキスパンション・ジョイント)の幅に余裕が無い場合は、建物同士が揺れによって触れ合って壊れたり、エキスパンション・ジョイント金物が壊れたりする事がある。
・1階が店舗や大きい集会室になっていると上の住戸階と比べて壁が少なくなる。
 
●設備機器
 
・最も大きく揺れる屋上に高置水槽、配電盤などがあると、転倒や落下の危険性がある。
 
●配管
 
・建物自体は安全でも周辺の地面の移動によって、建物内と屋外を繋ぐ配管が損傷する恐れがある。
専有部の被害の例
○電気温水器
・1Rマンションの電気温水器は、電気代が安い夜間にお湯を沸かして貯め、必要な時に給湯するもので、常時150~200リットルの水をタンクに貯めている。地震による転倒や温水器に付いている配管が切れれば下階に熱湯が漏水してしまう。
 
○床下給水管
・上階の部屋の床下給水管が壊れて天井や壁が水浸しになる。
 
○自動洗濯機の給水水栓
・自動洗濯機の給水水栓を開いたままにして使用していると、地震の揺れで接続が外れて漏水する場合がある。

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