マンションシーリング工事の実際、注意点

マンションの改修工事で行われているシーリング改修工事の注意点についてまとめました。
※他の参考記事
マンションのシーリングの概要、劣化・調査診断
シーリング改修工事の概要
 
 
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シーリング工事の注意点
・足場がないと作業ができない箇所は、大規模修繕工事の時に古いシーリング材を撤去して新たなシーリング材を充填する打替えを行うのが望ましい。
・足場を必要としない箇所でシーリング材の劣化が軽度であれば、経済性を考慮して不具合部分のみを工事対象とし、全面的な打替えを見合わせる場合もある。
 
〇シリコンシーリング
・紫外線に強いためガラス目地には適しているが、撤去が難しく打替えができないため、それ以外の箇所には適さない。
・大規模修繕では一般的に変性シリコンシーリングが使用される。
 
〇打増し
・シーリング工事は基本的に打替え。しかし、工数が短く材料も少なく施工できる打ち増しで施工されるケースもある。
→劣化したシーリングの上に新たなシーリングを追加しても本来の機能は発揮されないので注意。
改良工事
●シーリング材のグレードアップで耐久性や美装性を向上
 
〇外壁仕上げ塗材を変色・汚染させないシーリング材の採用
 
〇塗装可能なポリサルファイド系シーリング材等の採用
・シーリング面に塗装と露出を混在させる部位に使用。
 
〇ポリイソブチレン系シーリング材
・シリコーン系は耐久性・耐候性に最も優れているが、目地周辺を汚染させることがあるため、使用箇所が金属・ガラス間などに限定される。
→シリコーン系に近い性能をもち目地周辺を汚染させることの少ないポリイソブチレン系シーリング材を使用する。
 
〇注意点
・部位別に被着体の種類とシーリング材の種類の組み合わせには適合性があるので選定には注意を要する。
既存油性コーキング材の打ち替え
○油性コーキングの特徴
 
・表面が空気中の酸素と反応して皮膜を形成するが、内部は硬化しない非硬化形であり、プライマーを使用しなくても各種の被着体に接着するという特性がある。
・経年で保油性が失われると劣化して固化が進行し、目地材としての機能を失ってしまう。
 
※プライマー
製品素材との密着性を高め、防錆力・肉持ち感などの特徴を持った下塗塗料のこと。 塗装する素材や必要性能に応じて使用するプライマーが異なるため、非常に多くの種類がある。
 
○油性コーキング材の打ち替えの注意点
 
・油性コーキング材の油分により、通常のプライマー等では接着性に問題が発生する。
・塗装を行う場合は、既存油分によってブリードを生じる可能性がある。
・上記理由より、既存油性コーキング材を完全撤去したいところだが、固化している部分はかなり硬いため完全に撤去するのは困難な場合がある。
 
この場合、ある程度既存コーキングを撤去し、油性改修用専用プライマーで処理し新シールを打設せざるをえない場合がある。
 
残存油性コーキングにより本来の目地幅、深さの確保が出来ないため、拡張目地充填工法(ブリッジ工法)や変形目地になることもあり、仕上がりに凹凸が生じ、見栄えが悪くなってしまうこともある。

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