電気工作物、マンションへの電力供給、避雷設備

〇建築基準法:33条
〇建築基準法施行令:129条の14、129条の15
〇過去問
・管理業務主任者 2001問23、2002問23、2004問25
・マンション管理士 2002問20、2006問21、2010問20、2012問45、2015問20
 
 
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避雷設備
1)設置対象の建築
 
●避雷設備(法33条)
・高さ20mをこえる建築物には、有効に避雷設備を設けなければならない。ただし、周囲の状況によつて安全上支障がない場合においては、この限りでない。
 
〇注意
・一般的に建築物の高さは、階段室等が当該建築物の建築面積の1/8以内の場合においては、階段室等を高さに算入しないが、避雷設備については、この規定の適用が除外されており、階段室を含めて高さが20mを超える建築物には、原則として避雷設備を設けなければならない。
 
2)構造等
 
●設置(令129条の14
・法33条の規定による避雷設備は、建築物の高さ20mをこえる部分を雷撃から保護するように設けなければならない。
 
●構造(令129条の15)
・前条の避雷設備の構造は、次に掲げる基準に適合するものとしなければならない。
一)雷撃によつて生ずる電流を建築物に被害を及ぼすことなく安全に地中に流すことができるものとして、国土交通大臣が定めた構造方法(平成12年建設省告示1425号)を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものであること。
二)避雷設備の雨水等により腐食のおそれのある部分にあつては、腐食しにくい材料を用いるか、又は有効な腐食防止のための措置を講じたものであること。
 
●平成12年建設省告示1425号”雷撃によって生ずる電流を建築物に被害を及ぼすことなく安全に地中に流すことができる避雷設備の構造方法を定める件”
・雷撃によって生ずる電流を建築物に被害を及ぼすことなく安全に地中に流すことができる避雷設備の構造方法は、日本工業規格A4201(建築物等の雷保護)-2003に規定する外部雷保護システムに適合する構造とすることとする。
 
3)その他参考情報
 
〇保護レベル
・建物の雷撃に対する保護レベルは、ⅠからⅣに区分されている。
・Ⅰの方が保護レベルが高い。
 
○避雷針の保護角
・一般建築物では60度、危険物を扱う建築物では45度とされていたが、新JIS規格により、避雷針の保護角は高さと保護効率の両方から考慮して規定されることになった。
・建築物が高くなるほど保護角は狭くなり、60m以上の建築物では保護角が設定されない。
・火薬および可燃物性ガス・液体などの危険物を扱う製造所、貯蔵所の保護角は45度以下とされている。
 
〇保守
・雷保護システムの信頼性を保つためには,定期的な検査を行うことが基本的条件。
・不備が確認された場合には,遅滞なく修理を行わなければならない。
・検査の頻度については示されていない。
電気工作物の概要、必要な資格
●電気工作物とは
・電気を供給するための発電所、変電所、送配電線をはじめ工場、ビル、住宅等の受電設備、屋内配線、電気使用設備などの総称。
 
●必要な資格
・電気工作物の種類によってその電気工作物の保安の監督又は電気工事を行う人に必要な資格が、法律(電気事業法及び電気工事士法)で定められている。
 
①第1種電気工事士
・自家用電気工作物(500kW未満、ネオン管、自家発電設備を除く)および一般用電気工作物
②第2種電気工事士
・一般用電気工作物
 
※電気主任技術者
・事業用電気工作物の工事、維持及び運用に関する専門的な知識を有するものに与えられる資格。
・事業用電気工作物の設置者(所有者)は電気事業法の定めにより電気主任技術者等の主任技術者を有資格者の中から選任することが義務付けられている。必置資格。
電気工作物の種類(電気事業法38条)
●一般用電気工作物
・主に一般住宅や小規模な店舗、事業所などのように、電気事業者からから低圧(600V以下)の電圧で受電している1つの構内にある電気工作物。
・太陽電池発電設備であって出力50kW未満のものは、一般用電気工作物となる。
・第1種電気工事士又は第2種電気工事士のみ作業可能。
 
※小出力発電設備
・発電設備のうち、出力が小さく安全性が高い発電設備のこと。
・太陽光発電設備は出力が50kW未満のもの、燃料電池発電設備は出力10kW未満のもの。
 
〇住宅用分電盤の設置工事、安全ブレーカーの増設や変更
・一般用電気工作物に該当し、第1種電気工事士又は第2種電気工事士でなければできない。
 
●電気事業用電気工作物
・電気事業者の発電所、変電所、送配電線などの電気工作物。
 
●自家用電気工作物
・工場やビルなどのように電気事業者から高圧以上の電圧で受電している事業場等の電気工作物。
・次に掲げる事業の用に供する電気工作物及び一般用電気工作物以外の電気工作物をいう。
①一般送配電事業
②送電事業
③特定送配電事業
④発電事業であつて、その事業の用に供する発電用の電気工作物が主務省令で定める要件に該当するもの
・マンション等がこれに該当する。
・”自家用電気工作物”の所有者は、電気事業法によって、経済産業資源エネルギー部施設課に対して、電気主任技術者の選任及び保安規定を工事着工前に届出し、建物完成後は保安規定に則った維持・運営を行わなければならない。
・なお、電気主任技術者の選任については、契約電力が一定容量までの自家用電気工作物は、電気保安協会等に委託する方法により電気主任者の不選任申請が可能。
 
●事業用電気工作物
・一般用電気工作物以外の電気工作物。電気事業用及び自家用電気工作物の総称
 
※マンションの場合
・電気需要者の電気工作物は、一般電気工作物と自家用電気工作物に区別され、おおよそ住戸及び一般的なマンションの共用部は、一般電気工作物になる。
・大規模マンションの共用部契約電力が50kW以上の施設は、高圧引き込みとなり、”自家用電気工作物”に該当する。
契約電力と受電電圧
●電源供給の区別
・供給電圧によって”低圧引き込み”、”高圧引き込み”、”特別高圧引き込み”の3種類に区別される。
・区別の方法は、建物の使用電力により決定する。
 
引込方式   受電電圧(V) 契約電力(kW)   借室設置
低圧引込   100V、200V  50kW未満   不要
高圧引込   6kV級   50~2000kW未満 電力会社の借室が必要
特別高圧引込 20kV以上   2000kW以上   借室と特別高圧用変電室が必要
 
●維持管理
〇高圧電力の需給契約
・電力会社と入居者毎の”個別契約”であれば、電力会社が各戸の電力量計の保安の責任を負うが、管理組合と電力会社が一括して高圧電力の需給契約を締結すれば、電力会社は各戸の電力量計の保安の責任を負わない。
・高圧電力から家庭で使用する低圧電力へ変圧するための受変電設備、各住戸の電力量メーターの設置、維持管理等は、電力会社ではなくマンションサイドで行う必要がある。
 
○一般住宅
・電力会社より低圧(交流のものは600V以下、直流のものは750V以下)で供給される。
・住宅用分電盤内のサービスブレーカー(アンペアブレーカー)は、電力会社の所有物であるが、漏電遮断器、安全ブレーカーは利用者の所有物である。
 
○マンション等の建物
・その扱いは均一ではない。
・各住戸の契約電力の合計と共用部分の総量で引き込み方式が決定する。
・当該マンションの電力総量が50kW以上になると高圧引き込みに方式になり、敷地内に電力会社の借室変電設備(借室電気室)を設け、高圧から低圧に電圧を変換して各住戸に送電する。
変電設備
●借室電気室
・電力会社が建物内に必要なスペースを無償で借り、住戸部分及び共用部分に必要な電圧の電力を供給する変電設備。
・維持管理は電力会社が全て実施する。
 
●キュービクル式高圧受電設備
・高圧で受電するための機器一式を金属製の外箱に収めたもので、単に”キュービクル”(Cubicle)とも呼ばれる。
・6,600Vで受電した電気はキュービクル内で100Vまたは200Vに変圧され、施設に供給される。
・建物内に変電室のためのスペースがない場合等に置かれるもので、小型軽量な箱型に全部を収納してある受電装置。増設移設が自由にでき、経済的。
・屋内型は地下室、階段室、屋上塔屋等に設置でき、屋外型は建物外の地上に据え付けられる。
 
●パットマウント、集合住宅用変圧器
・屋外に設置される小型の変電設備。
・pad(道路:英俗語)に据え付けられた(moun-ed)という意味からきている。
→道路の隅に据え付けられた変圧器という意味。
・主に小規模なマンション等で用いられている。
・マンションで必要とされる借室変電設備に変る設備として期待されるが、大規模マンション(住戸数が100戸超)では採用が困難。
・共同住宅では、電灯負荷と動力負荷のいずれかが50KVAを超える場合には借室変電室が必要であり、それができないときは、屋外型キュービクルを設置していたが、最近は改良型としてパットマウント型が開発され、総戸数70~80戸程度の受変電設備はパットマウントに代わりつつある。
・電力会社の所有物であり、その管理は電力会社自身が行う。
 
●柱上変圧器
・電柱上部に施設され、高圧配電線で送られてきた三相6,000Vの電気を家庭などで使用する単相100V/200V、三相200Vに降圧する機器。
・変圧器の容量は最大で100kVA程度で供給限度がある。
単相3線式
●単相3線式
・配線は、電圧線が2本と1本の中性線の計3本で構成される。電圧線ともう一本の電圧線を結ぶと200Vの電圧が得られ、電圧線と中性線を結ぶと100Vの電圧が得られる。
 
〇200Vの電気器具を使用
・単相3線式で200Vの電気器具を使用する場合においては、3本の電気配線のうち1本の電圧線と、もう1本の電圧線を利用する。中性線と他の電圧線を利用すれば、100ボルトの電気器具しか利用できない。
 
●漏電遮断器、中性線欠相保護機能
・電気を単相3線式で家庭内で使用するには、分電盤や漏電遮断器も単相3線式にする。
・単相3線式では、100Vの負荷が2本の電圧線に均等にかかっていないと、中性線が断線(欠相)して、100Vで使用している電気機器に200Vの電圧がかかってその機器が燃え出したという事故が相次ぎ、”中性線欠相保護機能付”の漏電遮断器が開発された。
・単相3線式で引込んでいる住戸においては、200Vの電気器具を利用する際には、2本の電圧線を利用し、中性線は利用しないので、漏電遮断器は中性線欠相保護機能付のものとするのが望ましい。
・単相3線式の場合には、中性極の断線や接続不良(欠相)が発生すると、AC100Vの回路の機器に異常電圧が加わり、電圧耐量の小さい機器では絶縁劣化や焼損事故に至る場合があるため、中性線欠相保護機能付きにすべきとされている。

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