マンション鉄部等塗装工事の概要、注意点

マンションの改修工事で行われている鉄部塗装工事の注意点についてまとめました。
※他の参考記事
マンションの鉄部等塗装部の劣化・調査診断
 
 
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塗装の塗替えが必要な個所
・鉄部塗装に使われている塗料の多くはアクリル塗料で、5年ほどで機能が低下してくる。
 
〇塗装の塗替えが必要な個所
・玄関扉やメーターボックスの扉などのスチール部材
・雨どいやバルコニー隔て板などの樹脂製品や非鉄部材なども紫外線劣化を予防するために塗装を行うことが一般的
・最近のマンションではスチール製の手摺金物は少なくなっている。
鉄部等の塗装作業
・対象部位を全面塗装する”塗り替え”が一般的な施工方法。
 
●一般的な作業の流れ
 
①ケレン
・下地処理作業。
・サンドペーパーやナイロンたわしにより塗装面を擦ったり、さびの出ている箇所を除去したりする。
※ケレン作業によって既存の錆を取らないとその上に錆止め塗料を塗っても錆の進行が止まらない。
・塗替え後の仕上がり感や施工品質に大きく影響する。
 
②下塗り(錆止め)
・変性エポキシ樹脂系プライマーが錆止め材として最近は一般的に使用されている。
 
③中塗り
・ポリウレタン樹脂系又はアクリルウレタン樹脂系の塗料が使用される。
 
④上塗り
・ポリウレタン樹脂系又はアクリルウレタン樹脂系の塗料が使用される。
 
〇既存塗膜はどの程度除去するか?
・鉄部の塗装では、既存の塗膜をすべて除去しないと、古い塗膜の剥がれた箇所と残存している箇所に段差が生じる。
・既存塗膜を全面的に除去するのは費用的に過大となるため、一般的には脆弱部や錆だけを除去するため、除去した部分と健全な部分とに段差が残る。
塗装以外の対処方法
・玄関扉については、塗装で塗り替える以外にシート張りによる工法もある。
鉄部塗装の剥離、防錆処理の注意点
●鉄部塗装実施後の剥離
 
・修繕の際は、コスト面から旧塗材の全面剥離を行うケースは少なく、明らかに脆弱化している箇所のみ旧塗膜の処理を施し、それ以外は重ね塗りをする場合が多い。
・重ね塗りを行った塗材の影響で、下層の旧塗材が侵されたり、引っ張られたり、剥がれたりすること等が稀に起こる。
・再塗装時の施工に問題が無くても、旧塗材の劣化具合によってはこのような不具合が生じる可能性もある。
 
●鉄部塗装後の段差
 
・上記のように重ね塗りする場合は、既存塗膜を残した部分と補修した部分とで段差が生じ、塗装後に目立ってしまうこともある。段差部分をばかすようにペーパー掛けしたとしても、完全に段差をなくすことは困難。
 
●改修後の塗膜から錆汁
 
・鉄部塗装においては、脆弱塗膜の除去、錆部の処理は最重要といえるが、修繕時には新築時と異なり、手が届きづらい等作業性の問題もある。
・ペーパー掛けやサンダー掛けなど工具を使いながら不具合の処理を行うが作業が困難な場所もある。
・扉と枠が重なる箇所など刷毛が入りづらい場所もある。
・塗装の厚みを取りすぎると扉の開閉が出来なくなってしまうような箇所もある。

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