マンション投資の物件の探し方、物件選定の注意点

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立地選定の注意点
1)単身入居者のニーズが高い立地
 
※単身用の入居者ニーズ(部屋探しの重視条件)については以下の記事参照
ワンルームマンション、人気の設備と環境は?
 
2)供給の少ない立地、供給過剰の立地
 
※参考記事
新築投資用マンションの供給数・価格・仕様の推移
 
・同じ地域に同じような物件が多数あった場合には、物件の相対価値は下がる。
・近隣物件の状況を把握することも重要な判断材料。
・現地で近隣周辺物件を見て回り、需給バランスを判断することが重要。
・需要については、駅別の乗降客数が参考になる。
・供給状況のまとまった統計データがないが、不動産ポータルサイトや東京カンテイといった不動産調査サイトのデータから推計することで傾向を分析することもできる。
 
3)周辺環境における注意点
 
〇騒音
・駅近くだと、繁華街など周辺の騒音が問題になることもある。
・幹線道路沿い、線路沿いなどでは騒音や排気ガス、振動などを要チェック。
 
〇治安
・放置自転車や飲食店のゴミなどが近くに多い場合は要注意。
・駅近くであっても、夜中に人通りが少なくなり、街灯などがあまりないようなところだと、女性から敬遠される。
・歩道が車道からガードレールなどで完全に分離されていて、歩行する時に安全が確保できていると好まれる。
 
〇日照、周辺建物
・周辺に空き地などがあったら、将来、高層の建物で日照が悪くならないか、風俗店などが作られないか要チェック。
・周辺の建設計画などは区役所などで調べることができる。
・病院が隣接していて、救急病院の場合、連日夜に救急車のサイレン音が懸念される。
 
6)その他の注意点
 
〇用途地域
・1Rマンション投資に向いている用途地域は、かなり限定される。
・物件を売却する際にも、用途地域によって価格が変わってくる場合がある。
 
〇最寄り駅からの徒歩分
・最寄駅からの徒歩分が10分を超えると融資評価が厳しくなる金融機関があり、売却時の価格に影響が出てしまう場合がある。
 
〇1階の物件
・融資評価が厳しくなる金融機関があり、売却時の価格に影響が出てしまう場合がある。
※以下の記事も参照
1階のマンションを勧められた場合は?
広さ、間取り
※単身用の入居者ニーズ(間取り・広さ)については以下の記事参照
ワンルームマンション、人気の設備と環境は?
 
1)広さ
 
●1Rマンションの居住スペース
※1畳:1.62m2
 
〇20m2の1Rマンション:12畳
→実際の居住スペースは、キッチンやトイレ・バス、収納の分を勘案すると6~7畳。
 
〇15m2の1Rマンション:4.5畳ぐらい
 
●広さの下限
・居住空間が6畳を切ると入居希望者が減ってくる傾向がある。
→一15m2以下の物件は非推奨とされる場合が多い。
・今後20m2クラスの中古物件の流通が多くなってくることを考えると、競争力を担保するためにも、18m2以上が推奨という意見が多い。
 
●広さの上限
・30m2を超えると、それに見合った賃料を払える層が限られてくるため、30m2以下が推奨、という意見が多く聞かれる。
 
2)間取りのプランニングの影響
 
・1Rマンションは、間取りのプランニングで居住性が大きく変わり、利用価値も変わる。
・同じ20m2の広さでも、プランニングによって、実質的に22m2の広さの部屋のように使えたり、反対に18m2くらいにしか使えない場合もある。
・キッチンと居室とはドアで分離している間取りの方が入居者ニーズが高い。
・限られた空間を有効に活用するために、クローゼットを設置するなどプランニングに様々な工夫が施され、トランクルームを設ける物件などがもある。
・天井が適度に高いか、室内に柱や梁などが邪魔なところに出ていないかどうかも、チェックポイント。
総戸数、共用部の管理・修繕
(1)総戸数
 
●総戸数が少なすぎると融資条件が厳しくなる場合も
・総戸数が20戸未満だと融資条件が厳しくなる金融機関もあり、売却時の価格に影響が出てしまう可能性がある。
 
●総戸数が少ないと管理費が割高になる傾向がある
・マンション全体の管理費収入はマンション全体の区分所有者の数に比例するのに対し、マンション全体の管理コストは区分所有者の数に比例するわけではないので、総戸数が少ないと一人当たりの管理費は割高となってしまう傾向にある。
 ただし、5階以下など低層のマンションでエレベータがない物件や給水ポンプを使用していない場合は、設備維持費や電気代が少なくてすむので、管理コストが低減されている。
・中古マンションの場合は実質利回りで価格が設定されている場合が多いので、管理費が高くてもその分販売価格が安くなっている場合が多い。
 
※総戸数と管理費の関係については以下の記事参照
東京23区ワンルームマンションの管理費はm2当り400円ぐらい
 
●総戸数が少ないと一人当たりの修繕費が割高になる傾向があり修繕積立金の値上リスクがある
・エレベータや給水ポンプなどの設備や大規模修繕工事などは総戸数に比例して修繕費が増えるものではないので、総戸数が少ないと一人当たりの修繕コストが割高となるため、修繕積立金の値上リスクがある。
 ただし、すでに大規模修繕工事が実施されていて、その実績を基に修繕積立金の見直しが行われている中古マンションにおいては修繕積立金の値上リスクはそれほど高くないと思われる。
 
※修繕費と総戸数の関係については以下の記事参照
ワンルームマンションにおける工事費の総戸数・階数の影響
ワンルームマンションの修繕積立金、築30年でも5,000円程度?
 
(2)共用部の管理・修繕
 
●長期修繕計画
・長期修繕計画の修繕の周期や大規模修繕工事の時期を確かめると管理組合の管理状況の良し悪しの判断材料となる。
設備・仕様
〇単身用マンションの入居者ニーズ(設備)
ワンルームマンション、人気の設備と環境は?
 
〇築年数による設備の違い
ワンルームマンション、築年数による設備、賃貸募集仕様の違い
 
〇外観
・SOHOとして利用されるケースで、デザイナーなどが仕事場兼住居にする場合、外観やエントランスのセンスが良いと好まれる。
その他の注意点
●オーナーチェンジ物件の注意点
〇相場より高い家賃
・他の物件を借りられないような問題のある入居者だから高い家賃となっているという場合もある。
 
●空室期間が長引く物件の特徴
・徒歩15分以上の物件
・新宿歌舞伎町など特殊繁華街にある物件
・バルコニーのない物件
・室内洗濯機置場のない物件
・15m2以下の狭小物件
・騒音がひどい物件
・高額家賃の物件
 
●キャピタルゲインを目的とした場合の物件選定
〇銀行の評価が高い物件
・買取業者に物件を売却する場合、業者の買取の基準ではオリックス銀行の融資評価が受けられるかどうかが重要視される場合が多い。
・立地・賃料・管理状況が良かったとしても金融機関の融資評価が出ない物件の場合は、業者の買取条件が悪くなったり拒否される場合もある。
 
〇新築又は築浅
・売却相手である購入者のローン期間が長くとれる。
 
〇立地
・土地値物件であるかどうかが影響する(土地代の割合の高い物件)。
 
物件の探し方(公開物件、非公開物件)
●ネット検索による物件探しの注意点
・優良な物件は、情報がネットに公開される前に買い手が決まってしまうことも多い。
・仲介会社や専門業者は、購入希望のお客から事前に希望条件を提示されているのが一般的。
 
●ネット公開の問合わせ時の注意点
・問合せフォームから問合せをしても折り返しの連絡が無い場合もある。
・詳細資料の送付を要求してもマイソクだけ送り返してくる場合が多く、公開済みの情報と同様の情報しか得られない場合も多い。
 登記情報、賃貸入居者情報、共用部の重要調査報告書などの情報は、買付申込をしないともらえない場合も多い。
・問合せの回答だけで終わる場合もあれば、回答時に担当者から希望条件を聞かれ、その後、別の物件を紹介してくる場合もある。
 
●インターネット上に公開されていない物件の場合
・マンション投資のセミナーに参加したり、個別相談会に行って担当者に希望条件を伝え、その後、条件に合った投資物件を紹介してもらう流れ。
・担当者が各購入希望者毎に個別に条件に合った物件情報をメールで紹介する場合と複数の購入希望者に一斉メールで物件情報が送られてくる場合がある。
 
〇個別に紹介してもらう場合
・対応は丁寧だが、逐次、担当者に対して返答メールを返したり(返さなければいけないというわけでは無いと思うが・・・)、購入しない場合にはその理由も明記の上返信したりするなど手間がかかる。
・対応が親切な分、何度も断っていると担当者に対して気が引けるような感情にもなり、情報収集目的での利用は心理的に難しくなることもある。
 
〇一斉メールでの紹介の場合
・とりあえず紹介するだけしてもらって気に入ったら問い合わせてみる、といった感じで気楽に利用できる。
・ただし、一斉メールで複数の購入希望者に送っているので、魅力的な物件の場合は他の購入希望者との競争になり、早急な決断が求められる事がある。
築年数、耐震基準
●耐震基準
 
・新耐震基準の物件は、昭和56年6月1日以降に着手された物件。
・上記年月日以降に着手された物件といっても、実際に新耐震基準で建っているかどうかは懸念がある。
 法改正後1年ぐらいは、申請する側も確認する側もきちんと対応できていなかったという指摘もある。
 徹底してこだわるなら、昭和58年以降が推奨。
・金融機関に融資を依頼する際において、旧耐震基準の建物と新耐震基準の建物かどうかで、その担保評価と融資期間に大きく差が生じる。
 
※旧耐震基準の物件の注意点については以下の記事も参照。
旧耐震基準の年代に建築されたマンション購入時の注意点
 
●築古マンションのメリット
 
・価格が安い割に賃料はそれほど低くなっておらず、利回りが高い。 ・共用部の過去の修繕状況を把握することによって管理の良し悪しの判断ができる。 ・大規模修繕工事を何度か実施済みで、修繕実績を基に修繕積立金の値上げある程度実施済みである場合が多い為、築浅マンションと比較して修繕積立金の値上げ幅が少ないと思われる。
 
●築古マンションのデメリット
 
・交換費用が高額になってしまう設備が設置されている場合がある。
※以下の記事参照
電気温水器ではないのに給湯器交換費用が35万円?、築古マンション選定時のガス給湯器の注意点
・給排水管が漏水リスクの高い材質である場合が多く、漏水リスクがあり、交換費用も数十万要する。
※給排水管の材質、劣化については以下の記事参照
マンション給水・給湯管の劣化
マンション排水管の劣化

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